ついにまん延防止等重点処置が出されましたな。
ため息が出てしまいますが仕方ないです。

県知事も県跨ぎを控えるよう促しているので、なかなか名刹には行きにくいです。

ならば手近なところでお参りをしようと思い出かけたのが普賢寺です。

三重県多気町の田舎道に車を走らせていると、所々に小さな案内の立て札が現れます。
駐車スペースはありますが、小さいですね。3台くらい停められるかな。

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参道を登っていくと目の前に現れたのが、どう見ても普通の民家。
事前に電話で参拝の旨を伝えたあったので、庫裏のインターホンを押すと出てみえたのが品の良いご婦人。
そのご婦人に呼ばれて出てみえたのが、これまた品の良いご住職です。

本尊の普賢菩薩像は庭にある蔵の中に安置されています。


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重要文化財なので国からの管理がやかましく、保管に対しいろいろと条件があるそうです。

さてその普賢菩薩座像ですが、粗削りながら素晴らしい面持ちです。
普賢菩薩像の彫像としては日本でも最古級らしい。
質素ながら胸板が厚く、力強い中にも慈悲深い眼差しが感じられます。


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本堂にも案内して頂きましたが、こちらの仏像も素晴らしい。
実に美しいお顔をされています。

住職さんの説明によると、こちらの観音像は長谷式と呼ばれ、右手に錫杖、左手に蓮の花を活けた壺を持ってみえます。


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こちら普賢寺の近くに近長谷寺と言うお寺があり、そちらは住職がみえずに村の方が管理をされています。
そこの観音様も長谷式らしく、本山の奈良と鎌倉の長谷寺、そして近長谷寺の観音様はすべて1本の木から作られているそうです。
しかし本山と鎌倉は度重なる火災で焼失してしまい、近長谷寺の観音様が唯一当時のものと言われているそうです。

こちらをお参りした後その近長谷寺にも行きましたが、仏像が撮影禁止だったので残念でした。

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こちらの住職さんは本当に素晴らしい方で、2年前に障がい者施設を立ち上げられ、現在農業の就労を目指しているとか。
話し方からも温厚な人柄がにじみ出ていました。

冒頭に書いたように、お寺そのものはとても名刹と呼べるような佇まいはありませんが、仏像と住職さんにお会い出来るだけでも、お参りして良かったと感じられるお寺でした。


★ペットと一緒に参拝するようなお寺ではありません。



多気町 普賢寺